読書好きの森。

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【教室の中の困ったを安心に変える102のポイント/菊池省三】

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困ったを安心へ

  教室で過ごしていると、毎日のように「困った」ことが起こる。それが教室であり、一つ一つに対して、教師がどのように対応するのかを子どもは見ている。

 自信なさげに対応するのか、

 それとも、

 余裕をもって対応するのか。

 違いは明確である。

 

教授行為

 51の教授行為のポイントを菊池先生が挙げられている。

 その中の1つ、

 

 「80%の声は穏やか。10%が一人ひとりに対して。10%は少し張り上げて全体へ」

 (17ページ参照)

 

 と述べられている。

 荒れている教室では、この声の比率が大きく異なるのではないであろうか。

 教師が穏やかだからこそ、子どもが穏やかになり、教室が穏やかになる。

 我が師匠のおひとり、S先生にも

 

 「テンポはいいけど、指示ははっきりとゆったりと言ってみたら」

 

 とご指摘いただいたことがある。

 話す時は、テンポが大切と言われるが決して速く話せばよいというわけではない。

 声の質の使い分けにも、重要な要素があるとこの本から学んだ。

 

読む

 これは私が小学生時に相当苦労した。

 人前で読むことが嫌すぎて、泣くような子どもであった。

 そんな私が今はこうして「先生」になっている。

 人生は不思議なものだ。

 いつか

 

 「人前で話すことが極限に嫌いだった私が、教師になるまで」

 

 みたいな記事を書こうかなと思う(笑)

 やはり雰囲気作りが大切なのだろう。

 「全体で読む前に、一人で読む練習をさせる」

 との記事があった。

 これは、子どもに安心感を与えるための教師からの仕掛けであろう。

 読む場所を限定し、ここだけは完璧に読めるという部分を作ってあげることも必要だろう。

 大きな声を出す子が正義ではない。という価値観を子どもにも持ってほしい。

 

書く

 「ノートは、作戦基地である」

 という概念。

 これは、ノートの見方を楽にさせる。

 子どもの中には、

 「ノートは黒板を写すだけのもの」

 「ノートはきれいに書かなければいけないもの」

 という認識が強いのではないであろうか。

 この本では、そのようには考えない。

 

 ノートは、自分の思考を整理し、深めるものである。という考えなのであろう。

 

 たしかに、大人になって「きれいに」ノートを書くことって少ないのではないか。

 それよりも、

 自分がふと思った時に、

 気になるアイデアが出てきた時に、

 すてきな言葉を知った時に、

 

 「ぱっと」書くのがノートの中心的な役割になっているのではないか。

 

 ノート指導も考え物である。

 

豊かな対話・話し合いの授業

  2020年の学習指導要領改訂において、

 「主体的・対話的で深い学び」

 が大きなテーマになった。皆さんはどのようなものかイメージできるであろうか。

 実は、教員でもほとんどよくわかっていない。

 そこにアプローチしているのが本書である。

 

聞く

 「核」となるのは、「質問力」であろう。

 他人に質問することは「恥ずかしい」こと。

 他人に質問することは「だめ」なこと。

 そう考える子どもも大人も多い。

 かくいう私も、今でも質問は苦手だ。

 

 「質問力は、スキルだ」

 

 と教えることも大切になると私は考える。

 

話す

 よくみる「おなじです!」と全員が答える光景。

 これほど気持ち悪い光景はない。

 みなさんはいかが思うか。

 だれかが答えを言い、それに対して

 「おなじです」

 と、機械のように答える光景を。

 

 私は、気持ち悪くて仕方ないように思える。

 もっとふらっとに、もっと気楽に、時にぴしっと、

 話すことを楽に考えたい。

 本書の中で、話すことを上手く崩す場面が見られる。

 

話し合う

 話し合いには、「スキル」が必要だと本書は述べているように感じる。

 お互いの意見を発展させるために、

 「つなぎことば」を教えたり、

 「クッションことば」を教えたり、

 まずは、「型」をきっちりと教え、習得できたら「自由」を伸ばしていく。

 

 

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教室の中の困ったを安心に変える102のポイント

教室の中の困ったを安心に変える102のポイント

  • 作者:菊池 省三
  • 出版社/メーカー: 中村堂
  • 発売日: 2020/01/31
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)