読書好きの森。

読書好きの、読書好きによる読書ブログです。本を通して、心に宝物を。

読書好きの森。

【 ルビンの壺が割れた / 宿野かほる 】

f:id:tomo_book_aya:20200315203006j:plain

ルビンの壺が割れた 宿野かほる


ネタバレ厳禁!!

結末は絶対に誰にも言ってはいけない

twitter.com

上記がご紹介させていただきますのは、話題の問題作

 

 

あるきっかけから、ネット上で再会を果たす男女。

SNSを通じてメッセージのやり取りが始まる。

驚愕のラストにあなたはどんなことを思うのか。

 

 

ルビンの壺とは

皆さんは「ルビンの壺」という多義図形をご存知でしょうか。

 

ルビンの壺とは、1915年デンマーク心理学者エドガー・ルビンが考案した多義図形ルビンの顔図地の壺ルビンの盃ルビンの杯 とも言われる。

 

表紙にもある黄色い壺。

しかし、見方を変えると二人の人間の影が浮き上がってくる。

f:id:tomo_book_aya:20061203175526j:plain

ルビンの壺

出典: ルビンの壺 - Wikipedia

 

意識を変えることで全く違うものが見えてくる、このトリックアートのような壺。

 

何故、ルビンの壺なのか

まさしく本書も、このルビンの壺のような作品なのです。

 

再会を懐かしむ思い出話のメッセージ。

と思いきや、メッセージのやり取りが進むにつれてコロコロと表情を変える展開に。

読み進めていくにつれて受ける印象は人それぞれかもしれません。

皆さんはどんな展開を予想するでしょう。

 

170ページ(文庫版)という短いページの中で巻き起こる予想不可能な展開。

手に取った私自身も異変に気付いたのは、なんと164ページに差し掛かったところでした。

血の気が引くほどのラストの真実に驚きました。

 

最初の数ページからは、全く想像できなかったであろうこの展開。

真実なんて言うと「ミステリー」作品なのかと思ってしまう。

私も手に取るまでは、何か謎を解明していく推理ものか、ミステリー要素のあるものだと思っていました。

 

しかしこの【ルビンの壺が割れた】は、ミステリーとは別もの。

新感覚の物語に、是非挑んでいただきたい。

 

私が購入した「ルビンの壺が割れた」には2種類のブックカバーが付いていました。

1つは通常のブックカバー。

2つ目は、読者から寄せられた絶賛、驚嘆、怒濤の感想が敷き詰められているブックカバー。

 

f:id:tomo_book_aya:20200315210725j:plain

特製全面帯

 

二度と抜け出せない壺にハマってしまった。 (20代男性・東京都)

「嘘」はないのに、騙される。(10代男性・神奈川県)

こんな気持ちにさせないで!(30代女性・愛知県)

鳥肌もの!(60代男性・東京都)

 

といった様々な興味がひかれる感想の数々。

序盤から、不思議な展開が続き一気読みでした。

 真実を知った今、改めて再読してみようと思います。

また、ルビンの壺のように違った見方ができるかもしれません。

 

覆面作家として本書で作家デビューを果たした宿野かほるさん。

【ルビンの壺が割れた】は、友人たちとの集まりで聞いた話をもとにしているとのことです。

原稿を読んだ友人の勧めによりこのように作品に!

どういった方なのかは謎のままになっていますが、この作品の読者さまの反応によっては次回作も?ということで次回作の有無も気になっていくところ。

 

 

是非少しでも興味の持った方は、この一度入ると出ることができないルビンの壺へ。

そして、それが割れた驚愕のラストを目の当たりにしてください。