【ムゲンのi/知念実希人】
2020年本屋大賞ノミネート作品
ムゲンとは。iとは。
眠りから醒めない謎の病気「特発性嗜眠症候群」通称イレス。
霊能力の力を使っての救済「マブイグミ」で患者を助け出していく愛衣。
その救済の先に恐るべし真実が明らかになっていく。
壮大すぎるファンタジー&ミステリー!!
ファンタジーと言うと非現実的でいてなかなか入り込みにくい要素ではないかと躊躇していたのですが、さすが知念実希人先生。
装丁も綺麗でうっとりしてしまいますが、とにかく表現が美しく、自然と脳裏に浮かび上がる夢の世界。
テンポよく話が進んでいくため飽きることなくスラスラと読み進められます。
「下」に関しては隠されていた真実がどんどん明らかになっていくので、読む手が止まらなくなること間違い無し!
上巻はファンタジーな世界を旅する気持ちで。
下巻は覚悟して読んでいただきたい。
ファンタジーの美しい世界にやられていて気づかない...
これから読む方はそんな素敵な世界を吟味しつつも感じてほしい!!
...何かがおかしい
そして23年前のあの猟奇的な殺人事件の裏。
自分にもククルがいたら。
夢幻の世界を持っていたら。
それはどんなククルでどんな世界なのか。
なんて考えずにはいられない。
様々な「愛」に感動し涙。
そして知念実希人先生が愛衣のククルに込めた思い。
涙の後には私もウィスカーパッドを持ち上げて晴れやかな気持ちになっていました。